いろーんな「こうかい」展開中!
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四時限目の終了を知らせるチャイムが高らかに鳴り響いた。
一斉に空気が緩み、先に挨拶も済ませた教師がやれやれと教壇を下りた時、後方のドアがガラリと音を立てて勢いよく開いた。
冷たい空気が一瞬にして教室に流れ込み、入口近くにいた生徒達が一斉に身体を縮めたのが見えた。
いったい誰だ、と全員が見たそこには、巨大な荷物を両手に抱え持った金髪の青年が一人。
それが誰だか認めた瞬間、当然のようにまた全員の目が窓際で差し込む日差しを物ともせず、肘をついてうたた寝している緑髪の青年へと移る。
その視線に添うように、しなやかな身のこなしで痩身の青年がするりと教室内に入ってきた。
去りかけた教師までもが、ついそんな彼らを見てしまう。
足音もあまりたてず、大荷物を持ったまま青年は寝ている男の傍にいくと、身軽に片足を上げた。周囲にいた者達が我先にと二人から遠ざかり、派手な音を立てた。
「起きろ! このクソマリモ!!」
痩身からは想像もつかない鋭さで、真上から振り下ろされる足が男の脳天へ吸い込まれる。
派手な音が実に鮮やかに教室に響き渡り、教室内は静寂に見舞われた。
机上に突っ伏した緑髪の頭が、ゆっくりゆっくりと持ち上がる。
そこから現れたのは、一睨みで人を射殺せそうな物騒な目線。しかし、せせら笑うようにその視線を跳ね返し、青年はふんぞり返ってこちらも、人をぶったぎれそうな目で男を見下ろす。
「よう、目が覚めたかよ、万年寝太郎」
「ってっめぇ、何しやがる」
地の底を這いそうな低い声に、本気で周囲の者達が震え上がる。
だがこれも、金髪の青年はどこ吹く風。まったく動じた風もなく、それよりも更に態度悪く、バカにしているとはっきり分かる嘲りに近い笑みさえ口元に登らせた。
この二人が寄ると触ると喧嘩しているのは、この学校の者なら知らない者はいない。だが、そんな二人が、実によくつるみ、謎な関係を…それもどうやら蜜に…作っているのではないかという、これまた曖昧かつ不確定な情報だけが広まっているのも事実。
謎が謎を呼んで、注目度ナンバーワンの二人が揃っていると人の興味をかき立てて目立つことこの上ない。
だが、同時に絶対物騒なのが問題でもある。
どうなるのかとハラハラした面持ちで見ている面々の前で、額を赤くした程度で起き上がった男が不機嫌そのものといった表情で睨み付けると、ふと金髪の青年は己の腕時計を見、はっと窓の外へと視線を飛ばした。
「っと、やべっ! こんな所で油売ってる暇ねぇんだった。おい、ゾロ! てっめぇ忘れてんじゃねえぞ! 今日の昼休みは全知の樹って言っといただろ!」
青年が叫んだ瞬間、ゾロの目が教室の黒板に走った。
11月11日。黒板の隅に書かれた日付は、まさしく1並び。
慌てたように立ち上がったゾロは、急いで窓を開け放った。
「もう四時間目終わってたのかよ! こっちが早ぇ!」
「寝過ぎだっつーんだよ、この万年緑!」
「うっせぇ! うおっ、時間なくなるっ!」
誰のせいだ、と怒鳴ったサンジに、傍にいた女生徒が恐る恐る問いかけた。
「…あの、サンジ君…全知の樹の所で何かあるの?」
こんな風に怒鳴りながらも、サンジは絶対に女の子には荒ぶらない。それどころか、途端に目を♡マークにして、過剰とも言える態度と言葉で接してくれる。
「なーんでもないよー、たいしたことじゃないんだよぉ♪ ただ、こいつの…誕生祝いをするだけなんだー♪」
え?
と教室内が固まった。
今さっき、本気で頭をかち割るかと思える蹴りを入れた人物が蹴られた人物の誕生祝いをするという。
しかもサンジの両手には抱えきれない程の荷物。だとすれば、それは料理については天才と称されるサンジの祝い弁当なのだろうか。
あまりのことに、硬直した室内など気にも止めず、ゾロはサンジから荷物を奪い取るとヒラリと窓から飛び出した。
「いくぞ、グル眉! 時間がねぇ!」
「…ちっ、おれと可愛いレディの会話を中断するんじゃねぇよ…って、しゃーねぇなぁ。正味40分くらいしかねぇからなぁ」
ごめんね、またね。と優しく話かけてくれた女生徒に頭を下げ、手ぶらになったサンジがゾロの後を追うように窓から身軽に飛び出す。
「そっちじゃねぇ、どこ行くつもりだ、クソマリモ! 右だ! おれの後についてきやがれーっ!」
思わず見送ると、駆け出す二人は猛スピードでオハラ全学園の中心地、国の天然記念樹でもある全知の樹広場へと消えていく。
あの二人の仲はいったいどうなっているのか。
実はここオハラ学園の賭の対象にまでなっているのだが、まったくそれらを悟らせることなく、今日も元気に二人の仲は混迷の最中だ。
「…あいつらって…」
誰もが言葉にならずに呆然とする中、開け放たれた窓からは冷たい風が硬直した空気を清めるように教室内を一掃していった。
全知の樹はオハラ中等部高等部大学部の中心地点に存在する、この学園の象徴的存在である。
ほぼ真円を描く立地に立つ学園は、この全知の樹という象徴を中心にして成り立っている。本来なら、あまり交わりのない中等部に高等部に大学部ではあるのだが、せっかく同じ学園ということで、この全知の樹の周囲だけは学部関係のない交流の場となっている。
ちなみに、全知の樹はとにかく巨大でもあり、その横には全学部共通の図書館も存在する。その図書館が全知の樹の管理もやっていたりするのだ。
「遅いっ!」
その巨大な樹の根元に、何故だかこれまた大きな緋毛氈を敷き詰めた一角で、セーラー服姿のオレンジ色の髪の少女が両手を腰に、怒鳴りつけた。
「ごっめんよー! ナミさぁあああん!」
駆けつけたサンジは、大きく身体をくねらせてナミの傍に行くと、「今日も可愛い〜♪」と盛大にハートマークを飛ばしまくっている。
「すまん、遅れた」
大荷物を両肩に、走ってくるゾロへは鋭い動きで塊が飛んでくる。
「めしーっ!」
「やめんか!!」
その塊を恐ろしい早さで戻ってきたサンジが蹴り飛ばし、その隙にゾロは緋毛氈のド真ん中に荷物を置いた。
「よーう、おめでとう、ゾロ。誕生日だってなぁ」
にっこりと笑って手を上げたのは、緋毛氈の上に寝転がっていた男。黒い髪にそばかすの浮いた彼は、人好きのする顔でゾロへと真っ先に祝いの言葉を述べる。
「おう、ありがとよ。悪いなエース、大学部は忙しいんじゃなかったか?」
「昼休みくらい、なんてことねぇよ。つーか、おれらが一番時間融通つくんじゃね?」
大学部は高等部とほとんど繋がっているようなものだ。この学園の特殊な所は、高等部から大学部までの一貫教育の蜜さがある。
そして大学部の恐ろしく専門的でありながら雑多な学部の多さも、このオハラ学園の名物でもあった。
「あーうっ!スーパーめでてぇじゃねぇか。ロロノア、誕生日だって? おめでとう」
「………フランキー教授…あー…ありがとうございます…」
何故か上半身上着一枚、下は海パン姿のリーゼント男に、ゾロも目が泳ぐ。こうみえても、建築家としては世界にも名だたる人物のはずだ。この学園でもかなりな名物教授なのだが、健全な変態という妙なことでも有名だ。
…本来なら並び立たない健全と変態が並び立つくらいには、やはりこの男は変なのだ。
「サンジくん、私お腹すいちゃった。早くしないと時間なくなっちゃう」
足元に吹っ飛ばされてきた塊をしれっと避けつつ、ナミがそう愛らしく言うと、反対側にいた鼻の長い青年が大きく溜息をついた。
「相変わらず容赦ねぇよなぁ」
高等部の生徒会長でもあるウソップがしみじみ言えば、反対側で中等部の学ランの制服を着た丸っこい少年がうんうん、と頷いた。
「でも、平気だから凄いよな、ルフィも」
激しく蹴られたはずなのに、ルフィはけろりとして、荷物に向かって手を伸ばそうとしている。
途端にサンジが駆け戻り、その手を足蹴にしつつ辺りを見回した。
「そうだよね、早くしよう! ビビちゃんとロビンちゃんは…」
「遅くなりましたー。ロビン教授とそこで一緒になっちゃって」
小走りに駆けてきた水色の髪を結い上げた少女と、黒髪の長身のオリエンタルな美女がやってくる。
サンジはもうメロメロでくねっている。
「いつ見ても美しーっ! キュートだー! ビビちゃあぁん♪ ロピンちゃぁああん♪」
「……これ、ゾロの為に集まってるんじゃなかったっけ?」
中等部制服のチョッパーが言えば、しっ、とウソップが口に人差し指を当てる。そういう本当のことを言うと、ややこしくなることは分かっているからだ。
案の定ジロリとサンジが睨んできたものの、本当に時間がないは確か。すぐに気を取り直して、サンジはいそいそと荷物の紐を解き始めた。
「時間がねぇ。ああ、ナミさんもビビちゃんもロビンちゃんも座って座って♪ つーかヤロー共は女性にまず席を空けろ、エースも起きてさっさと避けろ」
言いながらも、次々とお重を取り出し蓋を開けていく。
ルフィを取り押さえているゾロをナミが笑いながら樹の正面席へと誘導し、それから銘々が好き勝手に料理を中心に緋毛氈の上に座り込む。
「たんまり料理は作ってきた! 時間はないが、たっくさん食べろ!」
一人一人にお茶のペットボトルを回せば、あっという間に準備は完了だ。
全知の樹の周りには、各学部からの人出も多い。そんな人々の視線の最中。目立つ緋毛氈の上には、実はオハラでも有名な人物ばかりが勢揃いしている。
実はしれっとド派手さをアピールしながら、昼休みというやたらと短い時間の中で、何故か恐ろしく盛大な昼食会が始まった。
☆ ☆ ☆ ☆
続いてしまいます。
書こうと思ってはいたけども、どーしよーかなー、と思っていたものをとりあえずこちらで書いてみます。
短い話ですけど、時間が許す限りのチマチマで(笑)とりあえず、書いていってみます。
サイトに上がってる秘密の二人、実はオフにもしているプロミスの続編だけども、当たり障りのない学園パラレルでーす。
ブログ拍手ありがとうございます!
こんな感じで、ちょっとチマチマ続けてみます。一押し、本当にありがとうございましたーv
一斉に空気が緩み、先に挨拶も済ませた教師がやれやれと教壇を下りた時、後方のドアがガラリと音を立てて勢いよく開いた。
冷たい空気が一瞬にして教室に流れ込み、入口近くにいた生徒達が一斉に身体を縮めたのが見えた。
いったい誰だ、と全員が見たそこには、巨大な荷物を両手に抱え持った金髪の青年が一人。
それが誰だか認めた瞬間、当然のようにまた全員の目が窓際で差し込む日差しを物ともせず、肘をついてうたた寝している緑髪の青年へと移る。
その視線に添うように、しなやかな身のこなしで痩身の青年がするりと教室内に入ってきた。
去りかけた教師までもが、ついそんな彼らを見てしまう。
足音もあまりたてず、大荷物を持ったまま青年は寝ている男の傍にいくと、身軽に片足を上げた。周囲にいた者達が我先にと二人から遠ざかり、派手な音を立てた。
「起きろ! このクソマリモ!!」
痩身からは想像もつかない鋭さで、真上から振り下ろされる足が男の脳天へ吸い込まれる。
派手な音が実に鮮やかに教室に響き渡り、教室内は静寂に見舞われた。
机上に突っ伏した緑髪の頭が、ゆっくりゆっくりと持ち上がる。
そこから現れたのは、一睨みで人を射殺せそうな物騒な目線。しかし、せせら笑うようにその視線を跳ね返し、青年はふんぞり返ってこちらも、人をぶったぎれそうな目で男を見下ろす。
「よう、目が覚めたかよ、万年寝太郎」
「ってっめぇ、何しやがる」
地の底を這いそうな低い声に、本気で周囲の者達が震え上がる。
だがこれも、金髪の青年はどこ吹く風。まったく動じた風もなく、それよりも更に態度悪く、バカにしているとはっきり分かる嘲りに近い笑みさえ口元に登らせた。
この二人が寄ると触ると喧嘩しているのは、この学校の者なら知らない者はいない。だが、そんな二人が、実によくつるみ、謎な関係を…それもどうやら蜜に…作っているのではないかという、これまた曖昧かつ不確定な情報だけが広まっているのも事実。
謎が謎を呼んで、注目度ナンバーワンの二人が揃っていると人の興味をかき立てて目立つことこの上ない。
だが、同時に絶対物騒なのが問題でもある。
どうなるのかとハラハラした面持ちで見ている面々の前で、額を赤くした程度で起き上がった男が不機嫌そのものといった表情で睨み付けると、ふと金髪の青年は己の腕時計を見、はっと窓の外へと視線を飛ばした。
「っと、やべっ! こんな所で油売ってる暇ねぇんだった。おい、ゾロ! てっめぇ忘れてんじゃねえぞ! 今日の昼休みは全知の樹って言っといただろ!」
青年が叫んだ瞬間、ゾロの目が教室の黒板に走った。
11月11日。黒板の隅に書かれた日付は、まさしく1並び。
慌てたように立ち上がったゾロは、急いで窓を開け放った。
「もう四時間目終わってたのかよ! こっちが早ぇ!」
「寝過ぎだっつーんだよ、この万年緑!」
「うっせぇ! うおっ、時間なくなるっ!」
誰のせいだ、と怒鳴ったサンジに、傍にいた女生徒が恐る恐る問いかけた。
「…あの、サンジ君…全知の樹の所で何かあるの?」
こんな風に怒鳴りながらも、サンジは絶対に女の子には荒ぶらない。それどころか、途端に目を♡マークにして、過剰とも言える態度と言葉で接してくれる。
「なーんでもないよー、たいしたことじゃないんだよぉ♪ ただ、こいつの…誕生祝いをするだけなんだー♪」
え?
と教室内が固まった。
今さっき、本気で頭をかち割るかと思える蹴りを入れた人物が蹴られた人物の誕生祝いをするという。
しかもサンジの両手には抱えきれない程の荷物。だとすれば、それは料理については天才と称されるサンジの祝い弁当なのだろうか。
あまりのことに、硬直した室内など気にも止めず、ゾロはサンジから荷物を奪い取るとヒラリと窓から飛び出した。
「いくぞ、グル眉! 時間がねぇ!」
「…ちっ、おれと可愛いレディの会話を中断するんじゃねぇよ…って、しゃーねぇなぁ。正味40分くらいしかねぇからなぁ」
ごめんね、またね。と優しく話かけてくれた女生徒に頭を下げ、手ぶらになったサンジがゾロの後を追うように窓から身軽に飛び出す。
「そっちじゃねぇ、どこ行くつもりだ、クソマリモ! 右だ! おれの後についてきやがれーっ!」
思わず見送ると、駆け出す二人は猛スピードでオハラ全学園の中心地、国の天然記念樹でもある全知の樹広場へと消えていく。
あの二人の仲はいったいどうなっているのか。
実はここオハラ学園の賭の対象にまでなっているのだが、まったくそれらを悟らせることなく、今日も元気に二人の仲は混迷の最中だ。
「…あいつらって…」
誰もが言葉にならずに呆然とする中、開け放たれた窓からは冷たい風が硬直した空気を清めるように教室内を一掃していった。
全知の樹はオハラ中等部高等部大学部の中心地点に存在する、この学園の象徴的存在である。
ほぼ真円を描く立地に立つ学園は、この全知の樹という象徴を中心にして成り立っている。本来なら、あまり交わりのない中等部に高等部に大学部ではあるのだが、せっかく同じ学園ということで、この全知の樹の周囲だけは学部関係のない交流の場となっている。
ちなみに、全知の樹はとにかく巨大でもあり、その横には全学部共通の図書館も存在する。その図書館が全知の樹の管理もやっていたりするのだ。
「遅いっ!」
その巨大な樹の根元に、何故だかこれまた大きな緋毛氈を敷き詰めた一角で、セーラー服姿のオレンジ色の髪の少女が両手を腰に、怒鳴りつけた。
「ごっめんよー! ナミさぁあああん!」
駆けつけたサンジは、大きく身体をくねらせてナミの傍に行くと、「今日も可愛い〜♪」と盛大にハートマークを飛ばしまくっている。
「すまん、遅れた」
大荷物を両肩に、走ってくるゾロへは鋭い動きで塊が飛んでくる。
「めしーっ!」
「やめんか!!」
その塊を恐ろしい早さで戻ってきたサンジが蹴り飛ばし、その隙にゾロは緋毛氈のド真ん中に荷物を置いた。
「よーう、おめでとう、ゾロ。誕生日だってなぁ」
にっこりと笑って手を上げたのは、緋毛氈の上に寝転がっていた男。黒い髪にそばかすの浮いた彼は、人好きのする顔でゾロへと真っ先に祝いの言葉を述べる。
「おう、ありがとよ。悪いなエース、大学部は忙しいんじゃなかったか?」
「昼休みくらい、なんてことねぇよ。つーか、おれらが一番時間融通つくんじゃね?」
大学部は高等部とほとんど繋がっているようなものだ。この学園の特殊な所は、高等部から大学部までの一貫教育の蜜さがある。
そして大学部の恐ろしく専門的でありながら雑多な学部の多さも、このオハラ学園の名物でもあった。
「あーうっ!スーパーめでてぇじゃねぇか。ロロノア、誕生日だって? おめでとう」
「………フランキー教授…あー…ありがとうございます…」
何故か上半身上着一枚、下は海パン姿のリーゼント男に、ゾロも目が泳ぐ。こうみえても、建築家としては世界にも名だたる人物のはずだ。この学園でもかなりな名物教授なのだが、健全な変態という妙なことでも有名だ。
…本来なら並び立たない健全と変態が並び立つくらいには、やはりこの男は変なのだ。
「サンジくん、私お腹すいちゃった。早くしないと時間なくなっちゃう」
足元に吹っ飛ばされてきた塊をしれっと避けつつ、ナミがそう愛らしく言うと、反対側にいた鼻の長い青年が大きく溜息をついた。
「相変わらず容赦ねぇよなぁ」
高等部の生徒会長でもあるウソップがしみじみ言えば、反対側で中等部の学ランの制服を着た丸っこい少年がうんうん、と頷いた。
「でも、平気だから凄いよな、ルフィも」
激しく蹴られたはずなのに、ルフィはけろりとして、荷物に向かって手を伸ばそうとしている。
途端にサンジが駆け戻り、その手を足蹴にしつつ辺りを見回した。
「そうだよね、早くしよう! ビビちゃんとロビンちゃんは…」
「遅くなりましたー。ロビン教授とそこで一緒になっちゃって」
小走りに駆けてきた水色の髪を結い上げた少女と、黒髪の長身のオリエンタルな美女がやってくる。
サンジはもうメロメロでくねっている。
「いつ見ても美しーっ! キュートだー! ビビちゃあぁん♪ ロピンちゃぁああん♪」
「……これ、ゾロの為に集まってるんじゃなかったっけ?」
中等部制服のチョッパーが言えば、しっ、とウソップが口に人差し指を当てる。そういう本当のことを言うと、ややこしくなることは分かっているからだ。
案の定ジロリとサンジが睨んできたものの、本当に時間がないは確か。すぐに気を取り直して、サンジはいそいそと荷物の紐を解き始めた。
「時間がねぇ。ああ、ナミさんもビビちゃんもロビンちゃんも座って座って♪ つーかヤロー共は女性にまず席を空けろ、エースも起きてさっさと避けろ」
言いながらも、次々とお重を取り出し蓋を開けていく。
ルフィを取り押さえているゾロをナミが笑いながら樹の正面席へと誘導し、それから銘々が好き勝手に料理を中心に緋毛氈の上に座り込む。
「たんまり料理は作ってきた! 時間はないが、たっくさん食べろ!」
一人一人にお茶のペットボトルを回せば、あっという間に準備は完了だ。
全知の樹の周りには、各学部からの人出も多い。そんな人々の視線の最中。目立つ緋毛氈の上には、実はオハラでも有名な人物ばかりが勢揃いしている。
実はしれっとド派手さをアピールしながら、昼休みというやたらと短い時間の中で、何故か恐ろしく盛大な昼食会が始まった。
☆ ☆ ☆ ☆
続いてしまいます。
書こうと思ってはいたけども、どーしよーかなー、と思っていたものをとりあえずこちらで書いてみます。
短い話ですけど、時間が許す限りのチマチマで(笑)とりあえず、書いていってみます。
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ほしづき さき
性別:
女性
自己紹介:
活字がなくては生きていけず。
日本文化にひたりまくり。
年期の入った刀好き。
どおりで、落ちた先は緑髪の剣士よ…(笑)
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