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いろーんな「こうかい」展開中!
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大寒波と脅されるなか、昨日のGLC5お疲れ様でした。
私は余所が酷いと、割とスムーズに戻れるのね、とそんなことを実感したりしておりました。安定の遅延だらけではありましたけどね。これはもう想定内です。
関東は思った程寒波の影響はなく、珍しくセーターなんぞ着込んでみたら暑くて会場で脱いだりしておりました。途中でまた寒くなって着込んだりしてましたけれども(笑)
なんにしても!
本を手に取って下さった方々、差し入れ等を下さった方々、本当に感謝しきりでした!ありがとうございました。
話かけて下さる方々を捕まえて、サンジ語りしたりして、ゆったりまったりとでも楽しく過ごさせていただきました。

それなのに新刊ご用意できず、ごめんなさい。何度か声を掛けて下さった方に申し訳なく思いつつペーパーお渡ししておりました。
ちなみにペーパーには小話短文ついておりました。
今日のことを知らないままに書いた代物ですが、割にタイムリーというか今しかねぇだろ!感満載な感じの代物です。
ねつ造です。
でもいいの、今だけだもの。

せっかくなので、今のうちに、こちらにUPしておきますね。
在庫に変動もありましたので、その辺りも近いうちに更新しておきますです。

1月怒濤のイベントラッシュはこれにて終了。次回はゾロサンチビナスオンリーに行きたいな、という希望を持っております。
ちょっと間が空きますが、その間はサイトの方の更新と本誌に翻弄されてきます。
何今日のWJ!
私の空目じゃないよね!?こんな展開なんか沢山読んだ気がするんだけど!?え、あれ薄い本でした?
いやいやいや、って感じ満載ですよ!尾田神様の手による展開だと破壊力凄まじいですね。
早く来週が待ち遠しいです!

以下畳みます。
右下の【GLC5ペーパー短文】を一押しどうぞ。





スモーク

 W7でロビンを取り戻し、メリーを見送った後のガレーラカンパニーでサニーが出来上がるのを待つ間、ウソップのことはあったが随分とゆっくりとした時間を過ごした。
 戻って来たロビンはそれまでとは違い、柔らかな落ち着きを手に入れて、それまでとは違う面を見せてくれるようになったし、随分と笑うようになった。
 サンジがとにかく腰砕けになるような、それこそあどけない笑い方だ。
「あぁん、もうロッビンちゅわわぁぁん♡」
 メロメロになってぐだぐだになるサンジを、仲間達がとにかくはいはい、となだめるようにスルーしていく。
 そんな日々を今思い出しても愛おしく感じる。
 何故こんな風に、あの時のことを思い出すのだろうか。
 サンジは胸ポケットから取りだした煙草の箱の底を軽く叩いて1本取り出し、慣れた仕草で口元に持って行く。
 掌で口元を隠すように持って行く仕草は、そういえばいつぐらいからするようになったのだろうか。
 初めて吸った時は、もっと小さな指で挟んだそれを口元に持って行くだけだった気がする。
 キンと澄んだ金属音を奏でてライターを付ける。この音がまたサンジの心を落ち着かせる。
 これだけはリアルに感じる炎の熱を掌に受けながら、風を防ぐように煙草の先に火を灯す。
 すうっと吸い込むと、香気と共に胸を熱くする紫煙が脳内までを燻らす。
 そうだ、あの時のことをこうも思い出すのは、なんとなく今の状況とあの時のことがダブるからかもしれない。あの時連れ去られたのはロビンだったが、あの時も外的要因とロビンの心の問題から連れ去られたようなものだった。
 状況も立場も違えど、今の自分と彼女がダブるのは無理ないのかもしれない。
 くくっ、と思わず笑みが零れた。それにしてもロビンと自分では色々と違いは大きい。ロビンは帰らないつもりだった。しかし自分は帰る為の算段をつけようとしている。
 過去はどこまでも現在を追ってくる。ロビンもそんなことを言っていたが、あれは真実だろう。忘れたつもりでいても、過去はなくならない。分かってはいたが、どこまでも遠くなるそれが、追いつくとはあまり考えてはいなかったように思える。
 けれど過去は追いついてきた。というよりも、掘り起こされたのかもしれない。己の落とし前は己でつけるしかないし、自分のことで仲間に迷惑をかけることは断じて許されない事だ。例えそれをルフィ達が擁護してくれてもだ。
 ロビンを救い出したルフィ達が、サンジを見捨てる事などあり得ない。そして今のサンジが帰る場所はルフィ達のいるサニー号でしかない。ならば、今ここで、自分がしなくてはならないことは…追いついてきた過去を抱き込む事だろう。
「忘れさせてはくれないか」
 ただのサンジだった自分を、ずっと受け入れ続けてくれた皆。多分彼らはこれからも、ずっと自分をただのサンジとして受け入れてくれるだろう。
 1度も名前すら呼ばない男など、きっとそんなことすら気にもしないで、自分を呼ぶのだ。
 『コック』と。
「上等だ」
 それ以上でも以下でもないと、仲間達は教えてくれる。
 ならば、今このままの自分で目の前の面倒を片づけていかなくては。そして堂々と彼らの元に戻り、「よう」といつもの自分で笑ってみせるのだ。
 目の前に揺れる紫煙は、きっと自分が忘れたくても忘れられないものを見つめる為の一つの鍵でもあったのだろう。
 あいつらは絶対大人しく待っていてはくれない。
「一つ、気合い入れるか!」
 ふっ、と道筋をつけるように紫煙を吹き出し、サンジは煙草をくゆらせる。

 名前を呼ばずに、自分を呼ぶ男がいる。
 それがこんなに心強いとは、人生何がどう転ぶか分からない。

 ロビンを取り戻したように、きっとサンジもルフィ達に取り戻されるだろう。ならばできる限り、こちらも抜け出す準備をせねば。
 パンと両頬を叩き、サンジは顔を上げた。

 過去を増やして、明日という未来が始まるのだから。


                     終了



  モノローグ調ですが、多めに見て下さい。
  とにかく早く来週のWJが待ち遠しいですよ!


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ほしづき さき
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どおりで、落ちた先は緑髪の剣士よ…(笑)
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素材元:十五夜  加工/構成:ashi